【スイングトレード】株価の天井・底を探る際には「日柄」サイクルを活用せよ!

【日柄という時間軸を頼りに株価の天底を見極めよう】
株価が大きく上昇しているシーンをみると、一体この上昇(下落)はいつまで続くのだろうと感じる時はありませんか?そろそろ下げ止まるハズ、上げ止まるハズという所でポジションを持てれば、スイングトレードはかなり有利に運べますよね。

僕は株価の天底に目安をつける時には「日柄」を絶対に意識します。ポジションを作る時は日柄から上昇や下落のリズムを感じ取るように努力します。

日柄サイクルについては株価の「うねり」とも表現されることがありますが、長期間上昇する時も決して株価は一直線には上がりません。3ヶ月~6ヶ月、9ヶ月や長くて1年の周期で小休止しながら、上下動して動いていくのが株の基本的な周期(特徴)です。チャートで確認してみましょう。


<日経平均株価 2022年6月~2023年2月 参考チャート:パンローリング社 チャートギャラリー>

株価は基本的に日柄サイクルを意識しながら動く事実を理解していれば、天井付近での飛びつき買い、底値付近での飛びつき空売り(買いの投げ売り)を防ぐことができます。SNSで「この上げはまだ上がる」、この下げは「下落トレンド入り、奈落の底まで下がる」と誰かが適当なことを言っても、日柄の意識があれば自分のスタンスを崩さなくなります。冷静に株価を見極められるようになります。

下げ切った所で買いたい、上げ切ったところで売りたい。そんな無謀な想いの手助けをしてくれる指標が「日柄」です。スイングトレードの際は日柄は絶対に活用しましょう。 

ただし単純に3か月、6か月下がったから即上がる、上がったから即下がるというものではないです。しかし、日柄+他の要素を組み合わせることでエントリーポイントの判断材料になります

さらに日柄単体でも1年間上昇したのであれば僕はほぼ確実に注目します。直近では8136サンリオが1年上昇の末、暴落しましたが空売りで利益化しました。


<8136サンリオ 2021年9月~2023年2月 参考チャート:パンローリング社 チャートギャラリー>

この日、不正会計のニュースが出ました。が、僕はこのニュースのせいで暴落したと考えていません。これは日柄の影響です。実際めっちゃ下がる要素は揃っているように感じてましたが、確実に下がるはわかりません。

だから、この5000円近辺を上抜けした時も戦えるように準備をしていました。サンリオ株は2013年に6000円を付けた実績があるので、最悪そこまでは戦えるように資金管理を意識していました。

日柄の意識があれば、サンリオはこの時点で注目し監視リスト入りさせることができます。事実、僕はそんなニュースは知りませんでしが、空売りを仕掛けていました。仕込んで3日後に大きく動きました。1月の下げに引き続き、2月もきっちり利益が出ましたね。

さて、恐縮ながら実例を見せるためにイキらせて頂いたところで
本記事では実例も見ながら、日柄の使い方を理解して頂けるように解説していきます。日柄を理解できるようになると、スイングトレードの戦略は一気に練りやすくなります。トレード戦略を組む時の発想が変わります。

〇日柄について理解を深めたい方
〇日柄を使いこなして、安定した成果を出したい方
〇天井・底の探り方を知りたい方
 ※前提は日経225やJPX採用の大型株に対しての日柄を想定しています。スイングトレードには確実に役に立つます。新興株でも使える内容もあります。

日柄サイクルとは

日柄という考え方の時間軸は相場の転換タイミングを測る指標として理解しておきましょう。僕は日柄は単体でも機能する優れた指標だと思っています。

日柄の大サイクル

僕の日柄の基準としては基本的には3か月or6ヶ月目に注目します。多少前後する事もありますが、概ねこのリズムです。3か月上昇、6ヶ月上昇してきたら、一旦下げ(下落してきた場合は上げ)が入るものと考えます。

日柄調整が入る理由は3か月、6か月という3の時間軸が人間が玉を決済したくなるタイミングだとか、四半期決算のスパンが3か月ごとだからとか、信用取引の決済期日が半年だから、とか色々言われますが、正味色々理由付けれることはどうでもいいです笑日柄の株価に影響はあるという事実と傾向をチャートで確認しましょう。

【3か月上がって下げるパターン】

<日経平均株価 2009年10月~2010年6月 参考チャート:パンローリング社 チャートギャラリー>

〇が上昇の起点の底になっています。底値から上昇が始まり、3か月目で日柄調整の下げが入っています。画像は日足ですから、スイングトレードには使えそうですよね。

【3か月下げたら上がるパターン】↓

<日経平均株価 2009年10月~2010年6月 参考チャート:パンローリング社 チャートギャラリー>

「あ、明らかに3か月周期に調整が入る傾向はあるんだな」ということに気付いていればいい。シンプルにそれで十分です。僕は(僕ら)は学者にも評論家にもなる気はありません。あくまでスイングトレードの実戦者です。

基本的にチャート上の株価の値動き事実をベースに過去から現在の「傾向」を探ります。その事実を押さえて、傾向を押さえて、その前提に合わせられるマイルールをどう組み立てるかだけを考えています。シンプルにそれで利益は出せます。

日柄の小サイクル

小サイクルと勝手に表現させて頂いてるのは日足ベースでの日柄の捉え方です。これは日足でのentryタイミングを考える時に参考になると思います。

初心者や負け組トレーダーのよくあるミスは陽線で買って、損切になる。陰線で空売って損切になるです。トレンドを示す長期MAの方向感に沿って売買しているのに、すぐに損切になっていないでしょうか?

そうなってしまっている方はおそらく飛びつき買い、飛びつき売りが原因になっています。日足も基本的には月足と同様に横ばう事が多いです。陽線陰線と交互に横ばうこの期間に振り落とされている事がほとんどだと思います。

商船三井のレポートなどで表現をした、月足Boxの特徴は覚えていますか?天井は何カ月目で下がりやすく、底ねりは何か月目で上がりやすい、という普遍的な相場サイクルを反映した考え方です。

✓底値圏は、6か月が目安、長ければ9カ月に上昇しやすい
✓天井圏は、4、5か月が目安、早ければ3か月に下落しやすい

これが日足にも通用します。売りを狙う時は5日前後、買いを狙う時は6日以降というのが基本になります。あくまで基本的な「目安」です。

もちろん1-3日以内に下落したり、1日で上昇するものもあります。それはわかっています。でも、6本綺麗に並んだ方が上がり易いという事実もあります。だから、まずは前提を絞り、基準を明確化した固い勝負所だけをターゲットにします。応用は後からでもいいのです。


<日経平均株価 2009年10月~2010年6月 参考チャート:パンローリング社 チャートギャラリー>

相場環境に合わせる 

日柄は天底やサイクルを探るために使うモノだと述べました。それでは相場環境に応じた具体的な使い方を見ていきましょう。

<天井圏>上昇から日柄を参考に下げを狙う

上昇開始の底を起点に下げを狙うパターンです。上昇3か月・上昇6か月(7~9ヶ月+1年目)あたりを狙います。

基本は上昇トレンドでの頂点を探っての下落狙いです。基本的には長く続いた上昇トレンドの終焉=買いポジションの利益確定での狼狽売りの下げをイメージします。

6か月目で下がり切らず、7カ月目に再上昇を始めました。上昇トレンドで半年以上日柄調整が無いのは日経平均では過去にほぼ例が無いので、暴落へのレッドゾーン突入を感じます。この環境では価格の節目や過去の高値を参考に、ロウソク足に注意しながら見ていきます。一方で日柄調整の期待を持ちながらも、まだ上昇トレンドが強い状況でもあります。資金をうまく分割しながら、このまま8か月目・9か月目と上に持っていかれてもダメージを受けないロットで売りポジションを作る事を検討します。

この時の下落開始時のイメージは「一気に早く下げる」です。ただし、下落後の戻りも激しいのが天井圏の最初の下げの特徴だと思います。2-3日で大きく戻してくる可能性もあることは頭の片隅に入れときましょう。

<底値圏>下落から日柄を参考に上げを狙う

下落開始の天井を起点に上げを狙うパターンです。下落3か月・6か月・1年目あたりを狙います。基本は下落トレンドでの底を探っての上昇狙いです。一方で「空売りをしていて、手仕舞いのタイミングを狙う」ために日柄を使うのもアリだと思います。


<日経平均株価 2015年9月~2016年3月 参考チャート:パンローリング社 チャートギャラリー>

下落トレンドで下がっていった所の終着点です。価格の節目や過去の安値で止まることが多いと思います。例だと日経平均の17,000円や15,000円で止まって反発しています。(一瞬節目を割って、即戻してくるパターンも多いです。)

画像の左端の下げはチャイナショックです。チャイナショッククラスの暴落も、3か月経てばいったんは落ち着き元の相場に戻ることがよくわかります。

日柄サイクルが効く銘柄・効かない銘柄

日柄を効果的に使うには流動性のある銘柄に適用するのがいいです。具体的には出来高が多い銘柄がいいです1日の出来高が20-30万株以上は欲しいと思います。

出来高が多いということは1日にその銘柄を取引するひとが多いということですから、トレーダーや投資家の注目度が高いということです。注目度の高い銘柄にこそ、日柄調整など相場の明らかな傾向は出やすいです。

逆に人気がない株は注意です。特に下落時の日柄の注意点は人気が全くない株は買われないということです。つまり、1年を超えても下がり続けることも考えられます。

だからそういった株は避けましょう。値ごろ感で買うにも値しない株です。市場参加者が多い事、そして誰かが相場操縦出来ない銘柄が好ましいです。少し資金力のある人が買い上げたり、売りたたく事ができる銘柄は避けましょう。

新興株は避けてください。SNS銘柄も同じく避けます笑。株価が偏った傾向を出すのは、その株に関わる人間の癖が反映されているからだと思っています。

つまり、たくさんの人が関わる大型株には日柄のような相場の習性が明らかに効いてきます。銘柄群で言うとやはり日経225やJPX400にあたる優良な大型銘柄が良いです。

日柄は組合せで使うのが重要

ここからは応用になります。日柄のリズムをBox理論に掛け合わせて、相場の強弱や方向感を探るように意識していきます。ここは事例ベースで見ていきましょう。

天井圏Box with日柄

【3626TISのチャート例】

<3626TIS 2022年4月~2023年2月 参考チャート:パンローリング社 チャートギャラリー>

日柄を利用して天井を特定し、天井圏の売りを狙っていくパターンです。まず、2022年8月に4000円付近まで上げてきて、上昇6か月目(※①)を迎えます。翌月2022年9月の7か月目(※②)、一度は上に上昇しますが、大きな下げにつながりました(※③)。やはり日柄調整を考えると、この上昇6か月目の位置から安易に勝っていくのは危険です。

そして、※③の下げ以降がポイントと考えます。ここから、天井圏のBoxに移行する想定がたちます。この時の発想はこの後にBoxを形成するなら、3か月かけて前回の高値まで来たところが月足Boxの4本目となりそこが勝負所になりうる(※④)、です。そこから※⑤の下げを狙っていく形になります。月足と照らし合わせたイメージは下記になります。


<3626TIS 2022年5月~2022年12月 参考チャート:パンローリング社 チャートギャラリー>

赤枠の範囲を勝負所とし、そこでロウソク足の組合せを見ながら売り仕込みをするのです。この考えを持てば決算がどうとか、業界がどうとか、レーティングがどうとか、掲示板がどうとか、マジでどうでもいいのです。値動きが全てです。それ以外はみません。

底値圏Box with日柄

【1963日揮のチャート例】

今度は底Boxとのパターンです。これはもう頻出です。Aランクです。これだけやってれば勝つやろってヤツの一つです。

月足Boxの後期と日柄を組み合わせていきます。2021年10月がBox3か月目の天井になっています。この日に考えることは「底から3か月上昇してきた。この後もし4か月目、5か月目と下げて前の安値に到達すれば、その後の6か月目月足陽線が狙えるだろう。」です。

つまり勝負所は5か月目の下落3か月及びBox下限になります。ここでポジションを作れば大きな値幅が狙えるし、たとえ損切りになったとしても即撤退できる。このパターンは本当によくあります。

日柄を目安にする時の注意点

最後に日柄覚えたてあるあるの注意点を共有しておきます。単純に日柄3か月、6か月だけでは転換しないシーンがあります。それが「底Box後期における上昇3ヶ月目」です。これは上がる可能性が高い。つまり空売りは危険だと考えます。

例として先ほどの1963日揮のチャートを見てみましょう。

チャート右側のピンクの枠内が2022年の2月は底から上昇3ヶ月目です、この例では少し下げも見られますが、その後は上に吹き上がっています。ここはどんな環境なのでしょうか。Box理論で分析すると原因が見えてきます。

底ねりBoxの後期、Box7か月目です。この月はBoxの高値を若干ながら更新しています。つまりBox抜け、上へのエネルギーが詰まっている所なのです。それに絶対に気づくために、環境認識の大前提は月足から入ってほしいというのが僕の考えです。

よくあるミスは日足でWトップだから売るとか、5日MAを割ったから売る、20日MAを割ったから売って上に持っていかれる、です。やめておきましょう。この局面に関しては上昇3か月であろうとも、買い目線が妥当です。Box上抜けのタイミングだからです。

まとめ

日柄を活用する事で天井と底の目安が立てられる。また、売買のタイミングを図ることができます。スイングトレードを実戦していく時は誰かが語る理由じゃなくて、誰が見ても同じ客観的事実から判断するのが良いと思っています。先入観を防げるからです。

人間は思っている以上に耳に入った言葉、目に入った映像は脳が記憶してしまいます。それが自分に都合の良いバイアスにかかるきっかけになりがちです。既に3か月、6か月と上昇をした後なのに、凄く良い決算が出たとか、ガンガン上がりそうな評価を目にすると上がりそうだ!と考えがちになります。

先入観に溺れて足元をすくわれないようにしましょう。だから客観的事実であるチャートをベースに自分の意思で判断し、日々自分でシナリオを軌道修正できるようになっていけるべきなのです。日柄はそんなチャート分析を行う上での重要な指標になります。是非意識してトレードに取り組んでみてください。