【一発買いNG】なぜ、スイングトレードは分割売買が基本なのか

  • 分割売買のやり方に困っている方
  • 資金管理をどうしたらいいかわからない方
  • コツコツ利益、ドカン損失を繰り返しがちな方

スイングトレードの資金管理は難しいですよね。僕はこれまでの7年間の株トレードの経験上、最強のトレード手法を探すより、資金管理に意識を向ける方が大事だと思っています。

しかし、トレード初心者ほど資金管理力よりトレード手法にフォーカスしがちです。100%当たる手法があるなら、資金管理は無視して問題ありません。ただし、100%当たる手法はあるわけないし、あれば常に全財産を掛けていれば、余裕で億り人になれそうです。

100%当たる手法がないからこそ、資金管理も大切な戦略になります。資金管理についてしっかりとした戦略を作って、実戦トレードに臨みましょう。

スイングトレードは分割売買が基本

スイングトレード時は分割売買が基本になります。まず大前提として株価は常に上がるか・下がるか常にどちらにも確率があります。つまり、どんなにウルトラチャンスに見えても、常に例外なくチャンスとリスクは表裏一体と考えます。

僕が考える上手なトレーダーはチャンスとリスクは表裏一体だと理解しています。一方で、下手なトレーダーは、チャンスとリスクは表裏一体だと理解していません。

思い通りの値動きにならなかった時の対応の想定が弱いため、トレード力成績が安定しません。

上手なトレーダーは、いつも相場をフラットに見ることができます。自分の気持ちの赴くままに、無謀な勝負は仕掛けません。仕掛けるとしても、十分にリスクを理解し、どこで撤退すべきかの明確な基準を持っています。また、失敗した時に自分の投資行動は正しかったのか、正しくなかったのか判断できます。

しかし、悪いトレーダーは必ず勝てる必勝のポイントが他にあるんじゃないかという発想になりがちです。前向きなことはいいんですが、その分資金管理やリスク管理の視点がおろそかになり、「聖杯探し」状態に陥りやすくなります。つまり、手法を探し続けることになります。しかし、実際にはどんな凄腕のトレーダーでもそんな手法は持っていません。(あります、とアピールする人はたくさんいるから問題なのだが・・・)

そのまま勉強を続けても、トレードの本質から外れたままインプット過多になり、結果が出なくなるでしょう

例えば、下記のチャートを見てこの後下落すると予想したとします。

ここで下がっていくという自信があればあるほど、自分の資金を大きくロットを張ってしまいます。

繰り返しですが上がるか下がるかわかっているなら、秒速で億り人になれるわけです。当たるのがわかっているなら、予想通りに常に全財産フルロットでぶっこめばいいんです。

でも、株価は逆行するかもしれない。

下がると思っていても、上がることが多いのが相場です。周りが下がる下がるというほど上がるのも相場です笑。

チャンスとリスクを考慮し、相場に資金をどの程度張っていくべきか判断するのが、トレーダーの仕事です。特にスイングトレードは日を跨ぐことを前提にトレードするので、分割売買でエントリーポイントを何度か探り、リスク分散しながら値動きを確認していきます。

 

一発買いの方が利益が乗った時、儲かるんじゃないか?

大きく張った方が利益が出るのはその通りです。でも、おそらくほとんどの人は一発買いでは勝ち続けられません。

自分に取って無茶な金額の大きいトレードを続けていると感情が揺さぶられます。僕も過去に一発買いで大きな利益を狙い、月利50%とかだしたことはありますが、トレードスタイルや当初のトレード計画を崩すことにもつながり、結果的に成績が全然安定しませんでした。

繰り返しになりますが、株価の値動きがランダムなのが相場の基本です。そしてスイングトレードでは翌日の動きがわからない中で資金を投入し、数日保有していくことになります。分割売買を前提にポジションを取らないと、思惑と逆行した場合、損切するしか選択肢がありません。

しかし、分割での売買を前提としていれば、次の一手を考えられます。

  • 下がった時にもう一度買う
  • 上がった時にもう一度空売りする
  • 反対玉をもち、ヘッジでしのぐ
  • 一度損切し、次回のチャンスを待つ。(損失範囲を許容できる範囲に限定化している。)

想定の値動きと違った時にも分割売買をしていれば、複数対応策がとれることもリスク管理の視点から大事です。

 

エントリーポイントは点ではなく、ゾーンでとらえる

株価の動きは相場が決めてくれます。ただし、株価の動きの読みやすいポイントはあります。重要ラインは反発しやすいとか、こうなれば高値を抜けやすいとか、テクニカルを利用して値動きを予想することは可能です。

その時、値動きはピンポイント切り返したり、一直線に抜けて行ったりすることは珍しいです。狙うポイントを点ではなくゾーンでとらえるようにしましょう。

例えば、下記のボックス相場のイメージでは一定の株価まで来たら、売り買いの目線を持つようにします。この辺で反発する可能性が高まってくる可能性が高いというイメージを持っておくと、一発買いなどの無理をしないように自分をおさえることができます。

<参考イメージ:パンローリング社チャートより>

ピンポイントに切り返すわけではありませんから、ラインで一発買い(売り)でなく分割売買が必須です。時間がかかったり、ラインを少し割ったりしながら反発していきます。

スイングトレードでは保有日数がデイトレードより長いため、実際には場が閉まった後にニュースが出たり、夜間に市況が変動して反発せず抜けていく可能性もある。その時のことも想定しながらポジションを作っていくことが大切になります。

一発買いや1銘柄に固執することの危険性

トレーダーが退場する時はほぼ例外なく退場する時のパターンは一発買いです。

  • 甘く考えていて、なんとなくトレードした
  • 連勝しており、心の底から自信があった
  • 過去の損失を目の前の大チャンスで一気に取り返したい思いがあった。
  • 利益ばかり皮算用して、損失の幅を想定していなかった。

こういったパターンはトレーダーの方なら一度は経験あると思います。元々想定していた完ぺきなシナリオを捨てきれず、目の前の事実は自身の間違いを示しているのにギリギリまで認められない

事実を捻じ曲げて自分の想定している値動きに向かうように、都合よく解釈してしまう時に大損こきますね。トレーダーが陥りやすい危険な思考状態です。確証バイアスと言われますね。

まず、トレード時に客観的判断が上手じゃない方は、基本的にトレードの勝率は5割以下だと考えるのがおすすめです。要は3,4割しか当たらなくても、勝てばいいです。

 

株価を当てよう、当てよう、とすればするほど、無駄な手数を増やしがちです。

 

一発で勝つのではなく、資金管理をうまくして利益を残すように意識します。その意識があると、ちゃんと利幅を大きく狙えて、損失幅を少なく勝負できるところでエントリーしようという気持ちが芽生えます

エントリーする時にできるだけ引き付けようとするようになります。株価を引き付けて待って待って、分割売買でポジションを取ることを自然と意識できるようになっていきます。

どれだけチャンスを感じても、常にリスクと隣り合わせ

常にこういった意識で臨むことを心がけましょう。トレード界で有名な天才トレーダーのテスタさんも、こうおっしゃっています。

「負けなければおのずと勝ちになる。」

トレードを始めて3か月目から常勝勢になったテスタさんですら、第一に負けない事を意識されています。リスク管理を徹底されている印象を受けます。

いい時も悪い時も常にフラットな視点で相場に向き合うようにしましょう。

 

ではどのように分割売買を実行するか

スイングトレード時の分割売買の方法について、リスク管理の視点を中心に参考例を示していきます。

ポイントは下記です。

  1. 建値をくっつけすぎないこと
  2. 大きな値動きの起こる可能性の高いところで張っていくこと
  3. 自分のトレード資金に対して、何%のリスクなら取れるか計画しておくこと

 

①建値をくっつけすぎないこと

ポジションを取る際に、建値は離すようにした方が無難です。同じ価格帯でポジションを重ねないということには注意します。

同じ価格帯でポジションを持ってしまうと、リスクヘッジになりません。結果的に一発買いと似た感じになり、逆行した時の損失も大きくなります。

何か投資行動をしたくなる気持ちはわかりますが、同じポジションを重ねるときは、乗せのロットを落とす、もしくはリスク管理のため追加しないことも検討した方がいいです。基本的に逆行した時の守りを意識しましょう。

 

②大きな値動きが起こる可能性の高いところで張っていくこと

細かな値動きは狙っても、スイングトレードではおいしくないです。株価の大きな流れを想定できる部分でのトレードを心がけましょう。それが、勝率が低くても勝つことにもつながります。

スイングトレードは基本的に数日~2週間、長くて1か月程度の保有期間になります。つまり、1日に何度も玉を売ったり買ったりすることはありません。

分割売買のルールに従うと一発で大きなロットを入れることができません。できるだけ大きな値動きを狙うことで、しっかりとした利益幅を狙いに行きます。

大きな値動きが見込めるところを狙い、想定通りの動きになれば利益を伸ばす。外したら早めに損切をして仕切りなおす。これを心がけましょう。

 

③自分のトレード資金に対して、何%のリスクなら取れるか計画しておくこと

人それぞれに応じて計画を立てればいいと思いますが、参考として僕の資金管理方法を紹介します。

僕の資金管理の仕方は、資金を信用枠のMAX金額から16分割します。そして使うロットは基本的に16の内2です。1銘柄に対しては16の内最大4までを基本戦略としています。

Ex).例えば、資金500万円で16分割する場合。

1. 500万×3.3(信用枠)=1650万円

2. 1650万円÷16=約100万 *端数は適当に切り捨てます。

1650万を16分割し、1ロット100万円に設定します。つまり、資金500万の場合の基本ロットは200万、100万~400万で状況に応じて、狙う銘柄に資金を入れていきます。

 

なぜ、16分割にしてるのか。

全体資金に対しての許容できる損失額から逆算して、16分割の設定にしています。

基本的にトレードする際は、初動で入る事を心がけています。初動が正しければ、乗せに入ります。この時、初動で2、乗せで2を使います。

16分割で1銘柄に最大4までであれば、3銘柄程度まで同時にトレードすることができます。分割売買と銘柄を複数銘柄に流せることでリスク分散が図れます。

僕は基本的に東証1部上場の大型株中心にトレードしています。大型株は1日の値動きは大きくても前日終値から3-4%くらいです。そこから逆算すると、16分割の内2を使うと、仮に4%動かれても、全体資金に対しての損失は2%程に抑えられます

自分のトレードが全体資金に対してのドローダウンがどれくらいになる可能性があるか、可能な限り把握するようにしています。自分がとっているリスクを把握ができていることが、相場をフラットに見ることにもつながると考えています。

また、僕のトレード手法では初手のエントリーで乗った後、乗せは1回までになることがほとんどです。リスク管理と自分のメンタル面、投資手法を照らし合わせて、この16分割という設定にしてます。

スイングトレード時の資金管理は分割売買がマスト

もし、初手のエントリーで思惑通りに株価が一気に上がっても、一発買いしなかったことを後悔しません。それよりも逆行した時のリスク管理を優先します。そのほうが心が落ち着くし、相場をフラットに見れトレードがうまくなります。

僕もトレード初期は特に一発買いをよくしました。大きな利益を取ったこともありますが、トータルでみるとうまくは行かず続かない。良くないことのほうが多かった( ^ω^)・・・。

損失を取り返す状況はメンタル的によくないですし、大きく減った資金をもとに戻すことは本当に難しいです。

なにより、一発で大きなポジションをとるのは心が落ち着きません。日経平均やNYダウを気にしたりして、さらには掲示板まで気にしたりして、当初のトレード計画通りのオペレーションができませんでした。

僕はトレードを通じて、将来にわたりお金を稼げる技術を身に着けたいと思っていますが、真の目的は自由になる事です。本音は楽なトレードで稼ぎたいです。笑

自分の仕事や生活に支障をきたさずにできるスイングトレード手法がベストだと感じました。そのためには利確・損切の両方を考えたうえで有利なポジションを持つこと、分割売買を徹底し自分の取っているリスクを把握できるトレード手法を確立していくことが大事だと思います。ドキドキトレードを続けたくないので。

トレード初期は圧倒的に勉強する期間が必要ですが、一生相場に張り付く人生もつまらないですからね。集中して勉強して、最終的には精神的に楽にやれるトレード手法を身に着けていきましょう!

その気持ちの方が、確実にトレード結果も伴ってきます。頑張りましょう!